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ウエストコーストの「野外教育」の効果

ウエストコーストの野外教育プログラムは、「社会人基礎力・人間力の向上」「学力の向上」「脳の活性化」「青少年・社会人自立支援のきっかけ作り」の4つの面で効果があります。

1.社会人基礎力・人間力の向上

前述したように学生の社会や他人と関わる能力が以前と比べて低下してきています。これに危機感を抱いた経済産業省が2006年から提唱しているのが「社会人基礎力」です。

これは「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」のことで、「前に踏み出す力(主体性・働きかけ力・実行力)」、「考え抜く力(課題発見力・計画力・創造力)」、「チームで働く力(発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力)」の3つの能力(12の能力要素)から構成されています[参考文献:4]

また、内閣府が提唱する「人間力」というものがあり、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」[参考文献:5]を体験活動を通して伸ばすことが重要であるとしています。

ウエストコーストの野外教育はこれらの能力・要素を網羅したプログラムを取り入れています。

実際に野外教育を取り入れた学校ではさまざまな効果が報告されています。

  • 英語学習者にとって、協調性・リーダーシップ・交友関係・学習意欲の面において良い効果があるとされている[参考文献:6]
  • 野外教育を導入しているマサチューセッツ州ボストン市にあるソロモン・ローウェンバーグ中学校では、生徒同士の人間関係、スキルが見違えるような向上をみせた[参考文献:9]
  • 1983年に発表されたハーバード大学の2年間に渡る調査結果によると、プログラム導入後、「学校にもうこれ以上行きたくない」が35.8%から1.9%に減少した。他にも高校生を対象とした結果も発表されており、そこでも自己概念形成に極めて優れた効果を及ぼしたことが実証されている[参考文献:9]
  • 自然体験を積んだものほど、学歴や年収が高いことがわかった[参考文献:7]
  • 文部科学省の調査によると、「生きる力」を「心理的社会的能力」「徳育的能力」「身体的能力」の3つの指標に分けたとき、1週間の宿泊体験活動が子ども達の「生きる力」の向上に影響を与えたと考えられると発表している[参考文献:8]

2.学力の向上

平成20年度に行われた全国学力テストが上位であった秋田県や福井県は、体力テストでも上位であったという結果で、すでにその点について相関関係があるといわれています[参考文献:1]

ウエストコーストの野外教育プログラムの中には、スポーツや身体を動かす活動も盛り込まれており、プログラムを通して外で身体を動かす楽しさを実感することができます。ウエストコーストの野外教育プログラムは、学力の向上にも役立つと考えています。

また、野外教育が盛んなアメリカにおいても、学校のカリキュラムに取り入れたところ、学力にも非常に良い影響が出たという結果が報告されています。

  • カリフォルニア州の4つの小学校で野外教育プログラムを導入した後、理科の成績が27%も向上し、また、6~10週間理科の成績が落ちることなく、その効果が続いた[参考文献:6]
  • オハイオ州コロンバス市、シダーウッド小学校では生徒の達成テストの得点がプログラムを導入して以来、読解力31%、算数35%も向上した。生徒はさらにこれらの標準テストでさらに能力を伸ばし続けている[参考文献:9]
  • アメリカのオハイオ州にあるデボンシア小学校では、生徒533人の内100人以上が読解力、算数、思考能力において、コロンバス市教育委員会が規定する優秀学力のレベルに達していたことが分かった。「この事実は別に秀才レベルの生徒がこの学校に集まったわけではなく、プログラムを通して授業にチャレンジ精神を取り入れ、問題解決をする能力や思考能力、創造力を生かして学んだ結果です」とフォスマイヤー校長は語っている[参考文献:9]

3.脳の活性化

身体を動かすことで脳と感覚器で双方向的なやりとりが行われているので普段使っていないような眠った神経細胞たちを眠りから覚ますことができます[参考文献:1]

また、ウエストコーストの野外教育プログラムは、脳の学習意欲活性化にも役立ち、自立神経のバランスを整えたり、他の人とチームとなって活動することも含め対人関係、共存、いっしょに楽しむことなど総合的に学ぶことができます。

特にボーっとテレビやゲームをやっているような時間が長いと、脳の視覚野と前頭葉野の一部分が働くだけで他の部分は眠ったときと同じような状態になります。

脳の神経は使ってあげなければ徐々に衰えるので、このような時間が長いほど脳は考えられない状態になっていきます。実際に身体を動かしているときの脳活動を測定すると、脳の運動野、感覚野、前頭前野という領域の活動が高まることが確認されています。逆に、ゲームをしているときの脳活動を測定した研究で、ゲーム開始後15分で前頭前野の広い範囲で活性が低下していることが確認されています[参考文献:1]

4.青少年・社会人自立支援のきっかけ作り

過度に進んでしまった競争社会では人が自然体で受け入れられることが難しく、条件付になります。

ただし、条件を満たすために過剰に頑張りますが、競争社会ですのでその条件を満たせるのはごくわずかですし、そのため、みんな努力しているのにも関わらず敗者、負け組みを多く算出してしまいます。

勝ち組は競争し続けます。現代社会においては、青少年、幼少期においても多くの若者が過度の不安を抱え、完璧主義が求められる社会において、理想が達成できない際の自信喪失、長期に渡る緊張状態といったことで行き詰まりを経験しています。そうすることで、本来持っている素質を十分に発揮できないまま、気分障害を持ってしまう方々も多く見受けられます。

気分障害とはうつ病や躁うつ病などに代表される病気で若者から高齢者までなる可能性があると考えられています。

ウエストコーストがこれまでサポートしてきた青少年・社会人の自立支援の回復率は90%以上という確かな実績があります。

現在、日本では気分障害に対して治療薬をその患者に投与して治す東洋医学が主に用いられています。しかし、このような治療薬では薬が切れてしまうと再びうつ症状が出るため、根本的な治療にはなりません。

最近では、気分障害の原因となるストレスを軽減する方法として、運動処方が注目されています。また、適度な運動がうつ病などの精神疾患の患者の前頭前野を活性化させ、低下していた脳活動を健常な状態に戻すためにも効果的だということがわかってきました[参考文献:1]

情報が溢れている現代において、野外教育プログラムを通じて自分自身の身を自然の中に身をおくという状況は、不必要な情報を排除し、自分について考える時間を持つことにつながり、根本的な原因と向かい合うことを可能にします。

人は運動不足になると身体的にも精神的にもストレスを受け、その結果として気分障害やノイローゼになる傾向が極めて高いといいます。ウエストコーストの行う野外教育の中では、カヌー、ロープコース、トレッキング、サッカー・ビーチバレー・ヨガを含むスポーツ、湖で泳ぐなどがプログラムの中に盛り込まれています。

適度な運動はストレスやそれに起因する気分障害に対して抹消と中枢の両方に作用して、それらの働きを正常化させることが多くの報告から明らかにされています[参考文献:1]

従来までの薬による治療のほかに運動を効果的に用いることで気分障害の症状を緩和し、場合によっては治療効果を高める可能性もあることから、運動処方を取り入れたウエストコーストの野外教育は青少年・社会人の自立支援のきっかけ作りに最適だと考えられます。

参考文献